プロローグ

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なにかしらのアクシデントに巻き込まれたり、変なのに出会ったり、奇怪なことが起きるのはつねに唐突だ。 なにが唐突だ。 まったくもって迷惑な話しである。 前以て知らせてくれても、罰は当たらないのではないか? 俺は洗面所の鏡の前で、目を見開きそう思う。 「は、ははは……。な、なんでやねん……」 俺が唖然としながらそう言った瞬間、俺は腰を抜かし、床にへたれ込んでいた。 間違いなく、確実に、完璧に、鏡を見た時、映っていたのは自分ではなく、美が付くほどの可憐な少女であった。 見慣れている自分などそこには写っていない。 即ち、鏡に写っている少女=俺。 ということになる。 しかし、本当に自分なのか? ただ、まだ自分は寝ぼけているのではないか。 そう切なる願いを胸に込め、もう一度確認しようとするが、足に力が入らない。 あ、俺かなり動揺してるわ。
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