伝説の始まり

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 路地で逃げ回ること三十分。  ジーク達はなんとか店の人からの追跡を逃れることが出来た。 「ハァハァ、ここまで来ればもう大丈夫だな」 「みんないる?」  息を切らせながらジークが言い、その後にスーラがあたりを見渡していう。 「おれはいるぜ」 「……」  デビが言った後、その場にしばらくの間沈黙が流れた。 「……誰かがたりないような気が――番号一」 「二」 「三」 「……」  不思議に思ってジークが号令をかける。  やっぱり誰か足りないような気がする。 「……もう一回。番号一」 「二」 「三」 「……」  そして少しの間沈黙が続いた後、三人は顔を見合わせて一斉に、 「……ドイルだ~!!」  と大声で叫んだ。 「ドイル~」  あれからしばらく間三人は路地の隅から隅まで捜していたが、一向にドイルは見つからなかった。  すると、いきなりデビは力が抜けたみたいにその場に座り込む。 「もう疲れた~。休みた~い」  子供みたいに(実際にまだ子供だが)だだをこねるデビ。  それを見てスーラは軽くため息をつき、一軒の店を指さす。 「仕方ないわね~。あの家で休みましょ」  スーラがそういうとデビは立ち上がり、三人は古ぼけた店へと入っていった。
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