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俺は、大きな木造の建物の前に転移してきた。
少し年季が入った建物であまり綺麗とは言えない建物。
初めて見る人によっては、反応は様々だと思うが俺自身この建物はボロだと思う。
そんな事をこの建物の持ち主に言える訳がないから心の中だけで思っていよう。
その年季の入った建物こそが俺の所属しているギルド”フェニックス”
その証拠にちゃんと入り口には、【ギルド“フェニックス”】と書かれている。
ギルド“フェニックス”は、商業で盛んな大都市“アテリル”にある。
“アテリル”は、毎日がお祭りみたいに、ワイワイ人々が賑わっている。
黒いフードを被り顔が見えないようにして建物の中に入る。
入った瞬間、煙草の匂いが俺の鼻を襲い咳き込みそうになるが軽く咳き込むだけであった。
意外にも店の中は、こんな時間だと言うのにたくさんの人達で混雑していた。
俺は、そんな混雑に臆する事なくカウンターに向かって歩いていった。
カウンターに着いた俺は、異空間から紙を取り出してカウンターの女性の前に置いた。
差し出された紙に目を通した後、黒斗の方を向くと驚いた表情で目を丸くする。
「えっと、XXランク“レッドウルフ”1000頭の討伐終わりました」
「・・・・」
「・・・あの。すいません!」
反応がないことに、不思議に思いカウンターの女性をみると、女性は、目を丸くしたまま放心状態になっていた。
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