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外は吹雪。
ある雪山のコテージには5人の男女が閉じ込められていた。
A「この吹雪じゃあ、しばらくは外には出れないな~」
Aはみんなを外には出したくなかった。
コテージの裏口を背にして10分ほど歩いた所に大きな木が立っていた。
Aはその木の付近に、妻の死体を埋めた帰りだった。
その途中に吹雪に見舞われコテージに逃げ込んだのだった。
B「いや、これぐらいの雪どうって事ないよ。」
Bは早く外に出たかった。
Bは代々伝わる家宝のありかが、裏の大きな木の付近に埋まっている事を突き止めたからだ。
C「ダメよ。もし外になんか出て遭難でもしたら大変よ。」
Cは兄を雪山で亡くしていた。
兄の遺体は裏の木の近くで見つかった。
兄のポケットには(すべてはカメラに写っている)とかかれた紙があった。
自分よりも雪山の恐さを知っている兄の死に疑問を持ったCは、雪山に残された兄のカメラを探しに来ていた。
D「たしかに吹雪が落ち着くまでは、出歩かない方が得策だな。」
みんなに促され、Bは仕方なく吹雪が落ち着くまで待つことにした。
D「しかし、参ったなぁ。ここには自然の調査で来たんだけど、これじゃあ調査どころじゃないなぁ。」
Dは口元をへの字にし、困ってるジェスチャーをした。
E「それは大変ですね。あの、自然って何の調査ですの?」
D「あぁ、裏に大きな木があるだろ。あれさ。
あの木は本来ならここの土地では育たない種類の木なんだ。
だから、あの木の周りには特別な養分でもあるのかもしれないから調らべに来たんだ。」
Dの発言に4人は固まった。
E「そっ、そうなんですね。」
少しの沈黙を破った Eはあの木の周りに特別な養分がある事を知っていた。
Eはこの国では禁止されている薬をあの木の周りにまき、薬の効能を調べていた。
Eの勤める薬品会社では十数年続けている事だった。
5人はそれぞれ違った目的で、この雪山に来ていた。
目的は違えど目指す場所は裏の木と同じだった。
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