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人生っていうのは、死ぬまで続くジジ抜きとババ抜きだ。
幸せになれる条件を揃えて他を出し抜き、不幸の種を押しつけ合う、策謀渦巻く陰湿なゲーム。
ただ、ゲームと言っても、当事者にとっては紛れもない現実で。
だからこそ、他人や、はたまた親しい人が不幸になるとしてもババを押しつけ、いち早く泥沼から脱したがる。
自分のためにも、他人のためにも、必死になれる。死に物狂いになれる。
……でも。
本当は皆気づいてる。
気づいていても気づかない振りをしてる。
どんなに辛く悲しい時も、どんなに理不尽だと感じる状況だとしても。
そこから抜け出して幸せを掴み取れるかは、自分次第なんだってこと――。
「それではこれより、第二十三回神様サミットを開催する」
無国籍都市・別天津。
その街角にひっそりと佇む教会。
外観こそ新しいものの、周囲に建つ店舗や娯楽施設の華やかさに埋没してしまっている、そんな教会で。
「諸君、わたしのことは『神』と呼ぶように。略して神ちゃんでもいいぞ」
「はい、神ちゃん」
「何だね、草食呪術医」
教会を訪れた来客による、奇妙な会議が催されていた。
「八勢力も首脳いないんですが。しかも、唯一の首脳は自称ですし」
来客は五名。
質素にあつらえられた内装の教会には、来客が思うままに席を陣取り、個々の座る位置に統一感はない。
「キサマっ! この神ちゃんを愚弄するか!」
「いや……その、ねえ?」
ある者は盛大に欠伸しながらあらぬ方向を見、またある者は孫を見守るお婆ちゃんも真っ青なくらい、穏やかに笑んでいる。
だからだろう、ブレザータイプの学生服を着た少女が仰々しい物言いで話しても、全くもって緊迫感に欠けるのは。
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