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「申し訳・・・ありません。あまりに・・・フフ・・噂と違ったものですから。」
表情を見たいのに、女は顔を上げない。
人形女が腹を抱えて笑う顔なんて、想像では補えない。
「悪魔王子を前にして笑うなんて、なかなか肝の座った子ですね。」
お前が言うな。
「すいません。落ち着きました。笑ってしまって申し訳ありません。」
そう言って女が顔を上げた時には、すでに表情は元の人形に戻っていた。
「うわ、めちゃくちゃ綺麗な子じゃないですか。さすが王子の女好きっ。」
「黙れ。」
肩パンすんな。地味に痛い。
キールが嫌な笑いをするから、急激に居心地が悪くなった。
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