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「そういえば今日、1―Cに外から入学する奴がくるらしいぜ」
「マジかよ!!」
廊下を歩いていると何気なく聞こえてくる生徒の声
皆、ソワソワしている
それもそうだろう
この学園は幼等部からのエスカレーター式
滅多に外からなんかやって来ない
生徒会の中でも、かなり驚く者がいたくらいだ。
自分自身も驚いた。
名前は〔月影澪〕
あの人と同じ名前だったから…
*****************
一人の青年が因州藩の前に立っていた。
名前は桂小五郎…
長州藩に所属している。
彼が何故因州藩の前にいるかというと、この藩の尊皇攘夷派、有力者の河田景与と談判し、長州陣営に引き込もうとしていた。
しかし…河田景与は、
「時期尚早」と応じなかった。
この頃、長州藩は小五郎や周布政之助、高杉晋作たちの反対にもかかわらず、先発隊300名が率兵上陸し
久坂玄瑞、来島又兵衞、福島越後などが天王山、天龍山、伏見に陣取り長州藩主父子や長州公郷たちの雪冕を迫っていた。
だからこそ危険視されたのだろうか、河田景与は耳にも入れてくれなかった。
仕方がないので諦め
因州藩を出た時、前に居た町民たちが
「お前さん聞いたかえ」
「何がじゃえ?」
「朝廷が長州に応じて、京都守護職を会津藩から長州藩に変えようとしてるらしい」
「ほう…これで壬生狼から解放されるんか?」
「それがな、一橋慶喜将軍が【もしそうしたいのであれば、幕府側は一切朝廷から手を引かせて頂く、お好きなようになさるがよい】と申されたらしく朝廷は皆ひるんでしまったんだと」
「恐ろしや、恐ろしや」
「!?(久坂さん…来島さん…福島さん…)」
桂は走った。
もし久坂などが御所に行くとなれば、孝明天皇は避難するために出てくるであろう…と思い、そこで直訴をしようとした。
しかし御所の周りには会津藩の者がたくさんいた。
「そこの者!!何者か!?」
見つかってしまった…
戦うしかないのか…
刀に手をかけた時
向こうに、あさぎ色の羽織を着た男が見えた。
壬生狼…新撰組…か
桂は刀を抜き構えた
男も刀を抜く、
次の瞬間…ザシュ!!
鈍い音が響いた。
男は隣の男を斬っていた。
次から次へと桂の周りにいる男たちを斬っていく。
男は周りの男たちを全員斬り倒した後、こちらを向いた。
そして、
『孝明天皇は避難しない、此処にいても無駄だぜ?』
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