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鯉のように口をポカンと開ける小雪。その目前までポージングを決めたまま迫ってきた青年は、自分のブレザーとシャツ、そしてネクタイを一気に引っ剥がす。
彼の鍛え上げられし半身が晒された。唸る大胸筋は俺を見ろッ、と躍動する。抑制を失った上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋が震え上がり、己を誇示していく。
「わははははっ、何時もキてるぜ俺の筋肉は! ダイナミックで爆発だァッ!! むぅん、神々しいぜ、熱いぜ、白熱だぜッ!!」
青年が雄叫びを上げる度、光を浴びて輝く大胸筋が盛り上がっていく。それは火山の噴火の前兆のよう。猛然である。
「ぬおおおおおおおおおおおおおッ!!」
金色の瞳をカッと見開き、咆哮する青年。遂に大胸筋が噴火する。抑えの効かなくなった最強の大胸筋が鼓動し、大気を揺らげていく。ナイスだ、ナイスだぜッ!!
もう小雪の思考回路は停止していた。
「新入生の君よッ!! 俺の筋肉に惚れたか!! 惚れたのなら、この半裸の貴公子ことクロード・インフェルノが会長を務める筋肉研究会へいざ来たれよッ!! うはははは、女子も筋肉を鍛え上げよッ!! 筋肉は皆、平等、バリバリ来てるぜェェェッ!!」
青年は、更に己の筋肉を見せつける為にポージングを変え、大地を震わせる程の高笑いを始める。正にこの男、筋肉の鏡ッ!!
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