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「さあさあさあーーーーッ!!」
雄叫びを上げながら、クロードは唖然として固まっている小雪に手を伸ばす。
クロード達、筋肉を求め日々成長する漢達のエデン、筋肉研究会の鍛錬所である第二東体育館へと小雪を誘う為だ。
がしり、とクロードの筋肉質な腕が小雪の細く白い腕を掴んだ。悲鳴が上がる。
「っ!? や、止めて下さいっ!」
「うはははは、君の筋肉は正に成長すればイケイケになる事間違いなしッ!! 我々筋肉研究会に入らなければ勿体ないよッ!! だから入会してしまえよ、君ィッ!!」
「だ、だから、止めて下さいって言ってるでしょうっ。てやぁーーーーーーっ!!」
雄叫びを上げて放たれた小雪の拳が、クロードの顔面に突き刺さる。巨体が崩れ、地面に倒れ込んだ。地面が揺れる。
そして、瞬時に小雪は踵を返し、その場から猛然とした勢いで逃げ出した。
うう、と目尻に涙が浮かぶ。
本当に今日は散々だ。小さな先輩には辛辣な台詞を言われるし、変態筋肉半裸に目を付けられるし、怖い先輩に遭っちゃうし。
小雪はフレアスカートをはためかせながら、ぱたぱたぱたっと走り去って行く。
「ナ、ナイスだ……よ……」
クロードは小さくなっていくその背中に、そんな言葉を投げかけ、満足げな表情を浮かべたまま意識を失ったのだった。
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