Episode:01 新入部員を獲得せよ!

3/23
前へ
/28ページ
次へ
入学してあまり時間の経っていない彼女にとって、この学校は複雑過ぎるのだ。 それは新入生全員に言える事で、この縮図は今朝担任に支給されたものである。 これが無かったら本当にどうなる事か。 「小雪ちゃぁぁんっ」 不意に自分を呼ぶ声がして、少女は振り返る。同級生の女生徒が駆け寄ってきた。 「第七談話室ってどこか分かるっ!?」 「え、えと……」 突然、泣きつかれて小雪と呼ばれた少女は困ってしまう。自分だって、文芸部の部室がどこに在るか分からないのに。 他の部活の部室なんて把握してる訳が無い。この学校はとにかく部活が多いし。 小雪はうーん、と唸ると正直に、 「ごめん、分からないや……」 「あ、そっかー。呼び止めちゃってごめんねぇ。小雪ちゃんも探すの頑張って!」 走ってきた少女は、片手を軽く上げるとそのまま廊下の先に消えて行った。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加