Episode:01 新入部員を獲得せよ!

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「私に話し掛けないでくれるかな。……穢れるから。本当に迷惑。ああ、空気が汚れる。彼以外の人間なんて塵よ塵」 はい? なんですと? 言葉を失う小雪を尻目に、言い慣れたようにそんな発言をした先輩はフレアスカートを翻して、廊下の先へと消えて行った。 相模 小雪。 あんな言葉を今まで生きてきた十六年間、言われた事なんて皆無である。 それも見ず知らずの先輩に、なんて。 入学早々、作りたくもない思い出だ。 言ってしまえば、更にこの後、小雪の身に忘れる事の出来ない悲劇が舞い降りる事になるのだが、それはともかく。 「…………」 小雪は暫くそこから動けなかった。 文芸部へ行くと言う目的は、小さい先輩の台詞によって遥か彼方へぶっ飛んでいた。 そして、小雪が自我を取り戻した時には、彼女はいつの間にか中庭に立っていた。 あれ、瞬間移動でもしたか私。 なんて冗談をちょっと呟いてみる。
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