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「私、紅茶は嫌いです」
何でもいいから飲み物を買ってこいって言ったのはキミだろうに。
手渡そうとしたアツアツの紅茶。複雑な心境のボクは、そっと手を引っ込める。思わず苦笑い。
キラキラと水面が光る川辺。風が吹き、ススキがざわめく。そんな秋風が気持ちいいこの季節。ボクと史絵は河原の土手に座っていた。
「何で紅茶が嫌いなの?」
イラつかずに優しく問いかける。120円をドブに捨てたことを少しは悔やみながらも。
史絵は少しうつむいた。
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