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「紅茶は元カレの味がする。 元カレは紅茶が大好きだった」
ふと顔を上げたと思ったら、河原を見つめる史絵。目には涙がたまっている。パチパチとまばたきする史絵の顔は、今にも壊れそう。
「そうか……」
何となく立ち上がってみる。全身を通り抜ける秋風は、冷たい。一瞬にしてキレイに整えた前髪を荒らしていく。
「史絵、ちょっと川辺でも歩かないか? ほら、立って!」
なかなか立ち上がろうとしない史絵。仕方がないので手をとり、立ち上がらせる。
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