紅茶

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「待って、何するの?」 史絵が不思議そうに聞いてきた。ボクがちょうどペットボトルを川に向けて傾けた時。 「何を? 水に流すんだよ、紅茶を。 つらいことは、この紅茶と一緒に忘れちゃいな」 ………って、え? 史絵がいきなり胸に飛び込んできた。ギュッと強く、顔を服の上からこすりつけられる。 何だろう、予期せぬサプライズ。 心に温もりが流れてくる。 どうやら流れていったのは、史絵にかけていた『疑い』だったのかも。 史絵、ありがとう。 確信したよ……
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