携帯電話

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「真人(まさと)! 何をにやけてんの! また妄想?」 「おっ? べ、別に。 な、何でもねぇよ、バアカ」 「はっ? バカ呼ばわりかよ」 ガードレールに寄りかかる親友の沙夜(さよ)。まったく、空気の読めないやつだ。呼び出されるから、せっかく出てきてやったというのに。 オレから二次元を引き離すとはいい度胸だな、ちくしょう。 でも、もしかしたら二次元とは永遠におさらばか? ふふふ、楽しみだ。 「マジキモいね、真人」 あわれみを含んだような表情の沙夜。両手を広げて……そんなに呆れんでもいいではないか。 「キモくてけっこう。 泣きをみるのは沙夜の方だ」 沙夜はオレの言葉の意味が分からないようだ。首をかしげている。 ま、後で思い知るさ。
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