はじまるよっこらせ

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なんか最近毎日知らない男から自宅に電話がかかってくる。 幸い家には電話が二台あるから、片方の電話に留守電が入ってる。 内容は大体こんなこと 「〇〇(俺の姉)ちゃん、君のことずっと見てたんだ」 「好きだよ〇〇ちゃん」 「今日はバス停で見てたよ」 まぁ要するにストーカー。 姉は空手やってるし怖いもんなし、って感じだけどやっぱりコレをずっと放置しとく訳にはいかない。 姉と母親はギャラリーとして、俺と親父決起。 また掛かってきた電話を、すかさず俺が取る 俺「…もしもし?」 ストーカー「〇〇ちゃん!?」 俺「いえ、弟です。毎日毎日ご苦労様ですね」 ストーカー「〇〇ちゃん出せよ」 俺「言われなくても姉が今から貴方と話したいって言ってるんで代わりますよ」 ストーカーわくわくしてるような感じ。 受話器越しに息聞こえる。うぜぇ。 ここで姉じゃなくて親父にバトンタッチ。 親父「代わりました〇〇です」 ↑野太い声 ストーカー「!!?」 親父「貴方の気持ち、すごい嬉しかったです」 ↑何度も言うが野太い声 ストーカー「いやちょっと待っ」 親父「告白お受けしま」 ブチッ ツー…ツー… これだけで終わらせないのが俺と親父。 さっきの番号にかけ直す。 ストーカー「もしもし」 俺「どうして切ったんですか」 ストーカー「…あれは〇〇ちゃんじゃなかった」 俺「何を言ってるんですか貴方?あれが貴方が想っている〇〇ですよ」 ストーカー「違う!あんなの違う!!!」 キレだすストーカー。 スピーカーついてるから音は待機してる親父に丸聞こえ。 すかさず親父が受話器に向かって 親父「ひどいじゃない!!私への愛はそんな物だったの!!!」 と、発狂。 ストーカーも負けじと叫ぶ。 終始意味のわからん叫び合いが続き、ストーカーは疲れはてたのか電話を切った。 それ以降イタ電はなくなったが、万が一に備えて留守電の音声を親父の声に変えておいた。
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