陽光

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ズルいよね。 僕が有朋のこと好きだってわかって意地悪してくるんだもん。 松陰先生みたいに。 「ここにいたのか。有朋。」 「晋作。」 「栄太郎と曖灯も一緒か。」 「居ちゃ悪い?」 「いいや。」 また栄太郎は御機嫌斜めか。 また有朋に何かされたな。 子供だからな栄太郎は。 「それに僕の名前は稔麿って言ってるよね。 だから馬鹿杉って呼ばれるんだよ。」 「呼んでるのお前だけだからな!!」 相変わらず憎たらしい性格してやがる。 だからほっとけないんだけどな。 「馬鹿杉何か用じゃなかったの?」 「有朋まで言うなよ!曖灯まで真似して言いやがる。」 「フフッ。いいじゃんか。」 良くないからな。 あえて声に出して言わないが。 栄太郎絶対松陰先生と有朋の性格に似てきてやがる。 本人の前では絶対言わないが。 面倒になるからな。 「曖灯には悪いけどさ、夜少し用事ができたから出掛けるぞ。」 「わかった。ごめんね。曖灯。」 「行ってらっしゃい。」
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