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あの後、俺は聖と一緒に居間に下りてきた。
すると、既にちゃぶ台の上にはゆきるが作ったであろう料理が綺麗に並べられていた。
「わわっ、沙羅ちゃんが言ってた通り聖ちゃんすっごく可愛いね!」
ゆきるはエプロンをたたみながらそう言った。
「か、可愛くなんてないですよ……」
ゆきるの発言に照れる聖。
ふ、ゆきるよ。聖は俺の妹だ。可愛いくて当然じゃないか。
フゥーハハハハハ!
「でもさ、いきなりだったから夕食四人分しかなかったんだよね」
「え? でもちゃんと五人分あるじゃないか」
ちゃぶ台の上にはしっかりと聖の分の夕食も並んでいる。
「うん。だから、四人分を五人で食べることにしたんだ。てことだからさ、いつもより量は少ないからよろしく~」
「なんだ、そゆことか」
ま、俺はそんなにいっぱい食べる方じゃないからいいか。
だが、腹は減ってるから早く食べたい今日この頃。
「兄さん」
俺の隣に行儀良く座りながら、聖が話し掛けてきた。
「どした?」
「さっき、兄さん以外にも男がいるって言ってませんでしたか?」
沙羅、先輩、ゆきると順番に視線を移す聖。
やはり、ゆきるは男だと外見だけで判断するのは不可能か。
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