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「さて、今からあなたの人生の決まる部屋に行ってもらいます。少しの間、待っていて下さい」
「はい」
松林が返事をした直後、キオウは人生ゲームのルーレットを回した。
ルーレットが止まった。
棒が示している数字は、9。
ガス室の刑に止まっている人が乗った車を9マス動かす。
『赤い雲が現れた。ナイフが降ってきて死ぬ』と、マスに書かれていた。
キオウは、少し笑った。
笑いをすぐにやめ、松林の方に向き直る。
「あなたの人生が決まる部屋が決まりました。あなたは今からその部屋に行ってもらいます」
「はい」
キオウは、1つのドアを手で示しながら言った。
「このドアを抜けて2番目の部屋に行って下さい。部屋は、すぐにわかると思います。2と書いてありますので」
「わかりました」
松林は、椅子から立ち上がり、ドアを開け出ていった。
カツン…カツン……
松林の足音がだんだん小さくなっていく。
「リオウいるか?」
「あぁ、ここにいる」
リオウがキオウの目の前に姿を現した。
キオウは、ドアを開けながら言った。
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