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ギィィィィィ……
ドアが開く音。
次の客は、松林敬子。
女だ。
松林は、恐る恐る部屋に入って来た。
バタンッ
松林は、ドアが閉まる音に驚いた。
「ようこそ、人生の館へ」
キオウは、ドアの方を向いて松林に話しかけた。
「どうぞ、椅子にお掛けになって下さい」
松林は、キオウを驚いた目で見ながら静かに椅子に座った。
先に口を開いたのは、松林だった。
「あの……ここで私の人生を決めてくれるんですか?本当に私の人生、変えてくれますか?」
アハハハハ……
この女、なんか楽しめそうだ。
「はい、私があなたの人生、決めてさしあげましょう。そしてあなたの人生を変えてさしあげます」
松林は、少し緊張がほぐれたようだ。
「では、まずは私の名はキオウ。この館の主です」
「よろしくお願いします」
少し頭を下げて松林は言った。
キオウは、横に置いてある人生ゲームに手を伸ばした。
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