三度目の桜風

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  学校の門が見えるところまで来ると、学校を囲むフェンスに沿って植えられている桜の木が、時折吹く風に花びらを空に舞わせていた。 「綺麗だねー!」 「うん……」 立ち止まって空を見上げる麗美たちは、しばらくの間なんとも言えない気持ちに圧倒されていた。 「……あれ?」 真奈美がふと、校門の方に目を向けると、何かを見つけたらしく、つられて麗美もそこへ視線を向けてみる。 そこには、門から少し離れて、校舎を見上げている人影が。 なんとなく誰かわかった麗美は、真奈美の手を引いて門へと歩き出した。  
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