三度目の桜風

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  「ねぇ綾音ん、何してるの?」 真奈美が相変わらずふざけたあだ名で綾音に尋ねる。 綾音をあだ名で呼べるのは、今のところ真奈美だけかもしれない。 「新入生の見送りよ。ほら、私達は代表挨拶しかしないけど、新入生は軽い説明とかが残ってるから、終わって出てくるまでここで待ってるのよ」 しかし綾音は、別段気にする様子もなく、淡々と答えた。 そんなことを喋っていると、急に校舎のほうがざわざわと騒がしくなった。 「どうやら終わったようですね」 侑莉の言葉を待っていたように、校舎からは次々と新入生とおぼしき生徒たちが続々と出てきていた。  
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