三度目の桜風

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  新入生は、今日はあと帰るだけなので、自然と足が校門へと向かう。 友達と楽しそうに談笑する者、渡されたプリントを眺める者、面倒そうにさっさと帰ろうとする者。 さまざまな生徒がいたが、校門のところに立っている麗美たちに視点が止まると、誰もが足を止め、言葉を止めた。 「あれって……噂の……」 ようやく男子生徒の誰かが声を発した。 「なんか……みんなかっこよくない?特にあの金髪の人とか」 「えー、私は生徒会長のほうがかっこいいと思うよー」 「いやいや、眼鏡をかけてる女の人は可愛いよね」 「やっぱり私は瀧崎先輩が好みだなぁ……」  
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