三度目の桜風

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  「麗美さまーっ!」 綾音と侑莉の会話も聞き取れないままに教室に入った麗美の胸に、誰かが飛び込んできた。 「紗弥……。久しぶり」 疲れたようなため息を吐いた麗美は、一応ツンデレ扱いをされているこの少女、倉木紗弥を引き剥がしながらそう返した。 普段ならばここで真奈美とじゃれあうのだが、真奈美はさっきのことで未だに放心状態で紗弥を相手にする余裕はなかった。 「相変わらずモテモテやなぁ、麗美はんは」 麗美たちの騒ぎに気づいてか、紗弥とは違う方から別の声が聞こえてきた。 「あ、心愛も。久しぶりだね」  
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