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その頃体育館では、入学式の後片付けが行われていた。
片付けといっても、新入生用に出していたパイプ椅子をかたすだけなのだが。
「竜彦ー。そっちは終わったかー?」
「見ればわかるだろ。まだまだだ」
パイプ椅子のガシャガシャとぶつかる音の中に、普段からなんとも語尾が伸びるしゃべり方をする生徒会書記の、三条良太郎の声がまざっていた。
その良太郎の問いかけに答えたのは、いつもダルそうに手短に喋る、良太郎と同じく生徒会書記の、厚木竜彦だった。
ちなみに竜彦は、あくまでダルそうにしているだけで、性格はいたって真面目だ。
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