始まりの警鐘

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  それはまだ、冬の寒さが身を縮まらせる夜のことだった。 「くっ……。噂はその実力の足元にも及ばぬか……」 ガクッと地面に片膝をつき、悔しそうに顔を歪める一人の少女。 その少女の視線の先には、風でなびく金髪を左手で押さえているもう一人の少女が。 「……まだやる気?」 その金髪の少女の、整った顔立ちに似合う透き通った声で、対峙している少女は気圧された。 「今日のところは出直そう。しかし、私は諦めん。坂原麗美よ、次こそは覚悟してもらおう」  
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