三度目の桜風

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  それでも、麗美がいるせいか不良という不良はおらず、わりと真面目な生徒ばかりなので、風紀は乱れていない。 更に言えば、この高校にはクラス替えがない。 その代わりに、クラスという区切りを無視した校長が好きそうなイベントがけっこう用意されていたりする。 「ほらほら、麗美ちん行くよー!」 「麗美はん、時間にルーズな女は嫌われるで?」 「瀧崎さん絡みの時の麗美さまが一番素敵……」 「分かった。……行くから変なこと言わないでよ……」 自分の言いたいように言いつつも、ニヤニヤしている三人を一瞥すると、観念したように嘆息した麗美は、真奈美に手を引かれて体育館へと足を運ぶのだった。  
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