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太陽が沈み、荒野がオレンジ色に染まる。
その荒野の中に土煙をたてながら、列車が走っていた…。
その列車の中にロングの銀髪で瞳が紫色をし、黒のフリルのワンピースを着た、少女が一人。左手の甲には、不思議な紋章が刻まれている。
その向かい側の席に黒髪で紺色のコートを羽織った青年が一人座っていた。
異様な雰囲気をかもしだす二人は…
口喧嘩している…
声のボリュームは、大きく同じ車両の客にまる聞こえ。周りのお客は、迷惑そうに目をひそめている。
「アーリーよ。
本当は…今日の昼、王都へ着く予定だったのだぞ!」
ラルアは、腕組みして怒っている。
「だから…すいません」
アーリーはしょぼくれていた。
「それもこれもアーリーが、乗る列車を間違えるからだぞ!
遠回りの列車に乗るなんて!」
要するに王都に行くには、専用の汽車がある。これなら乗り換えせず楽々着くのだが…
二人は、この各駅停車の乗り換え有りという、なんとも遠回り列車に乗ってしまったのだ。
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