猫には猫の学校がある!

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何の前触れもなく、ネスタの前に黒色の折り紙の様な物が現れた。それはいつまでも落下せずに空中に留まり続けているかと思うと、そこから澄んだ緑色の小さなビー玉らしき物が20個程も沸いてきた。そして、ネスタが空いている右手をそのビー玉の上にかざすと、生徒たちの手の平に微かな光ともに現れた。それは一瞬発光したかと思うと、次の瞬間、生徒たちの手の中にはビー玉の代わりに油の入った瓶が収まっていた。 「よし、では始めろ。まずはボックスからだ。」 号令がかかると、生徒達は油を舐め、また他の生徒達は手に持っている肉を食べ始めた。これは、魔法を発動する為のエネルギーが脂質から生成されるからだ。 「「「『ボックス』発現。」」」 声とともに至る所にまるで砂鉄で出来ているようなつやのない立方体が現れる。ネスタがやった様に理論上は発声は必要ないが、魔導の心得のある者達はイメージをより強固にするために魔法の名称を発声する者が多い。また、イメージの強化の為という理由からその名称も様々だが、大抵教えられた、あるいは巷で呼ばれている通称から連想されるような物なので、発声により相手の使用する魔導を予測することが出来る。 「では、確認のために音叉を配布する。叩いたらすぐに収納し、五分後に取り出す事。以上だ。」
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