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朝の霧を背に東京駅を出発する我々。あたしはとある事情から中央線は新宿から吉祥寺まで正気でいることができないのである。
新宿着いたあたりから饒舌になり、ついには電車の中で騒ぎ出すあたしにみんなひき気味である。おばさんミーティングの中でも最も親しいゆかりんがいぶかしげにあたしの顔を覗き込む。
「やっだー!!ゆかりん!チューするぅ?」
と言う発言にみんな度肝を抜いている。
さとーさんが
「しっかりして!あなたがいないと乗り換え地点がわからないのよぉ!」
と悲痛な声を出す。
「そんなん出たとこ勝負で決めるぜっ!」
とウィンク。
「まもなく武蔵小金井です」
と車掌のアナウンスが入るとさすがにあたしももう気を紛らわすことをやめてもとの落ち着いた表情になる。
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