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「!!」
また、あのズー…ズー…と引き摺る音がどこからともなく聞こえ、女性は身体をびくつかせる。
その摺り足に集中しようとするが、走ったり追われる恐怖で首筋の大動脈が、心臓になってしまったかのように脈打ち、音が困惑している。
チュチュ…!!
「ひぃ…!!」
怯えと恐怖。壁に寄り添おうとしたとき、ネズミが足にあたり思わず声を出してしまった。
女性は腰が抜けたかのように、壁を背にへたりこんでしまった。
「いったい私が何をしたっていうの…」
ヒステリックになる寸前、頭の機能が著しく低下しているのが外見から察する事ができる。
「見っけた…」
「!!」
女性はビックっと身体を震わせ、声のするほうに顔を向けた。
まるで、反射の如く女性の顔が恐怖に歪んだ。
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