断罪者

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「行くとこ?お爺ちゃん早く続き続き!」 「待て待て、そう急かすな。この後のわしの英雄伝説は、まだまだ続くんじゃからな」 「英雄!やっぱりお爺ちゃんは凄いんだね!」 どうやら、このおじいさんの昔話を孫に聞かされていたらしい。 そのおじいさんの膝の上では、可愛い女の子のような子が、続きを知りたく飛び跳ね、目を煌めかせながら、お爺さんの膝の上で満面の笑顔を見せている。 「はぁ、何を言ってるの。あなたが英雄だったのは、40代まででしょ」 「なぬ!えぇか咲子!今だってわしは現役バリバリじゃぞ!」 「甚平着て、お茶と羊羮を食べてる老いぼれを、誰が現役バリバリと呼びますか」 「うるさいのぅ。甚平とお茶と羊羮の何が悪い」 「ここは協会本部よ。会長ならそれなりの格好をしなさいよ」 ここは、公安・特殊犯罪者兼特殊犯罪異能力者研修協会。 すなわち、人の邪心が覚醒し、悪魔に身体を乗っ取られた咎人を、裁いたりするものの教育や、生まれつき変わった能力を持つ者の能力制御技術を研かせたりする、いわば学校のようなものである。
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