14人が本棚に入れています
本棚に追加
「………祐護さん」
「………ん?」
先程までとは打って変わって真剣な表情で、油断無く周囲を見渡すランディウス。
周りに誰もいない事を確認しているようである…
「…先程の懸念…正解のようですね」
ランディウスは先程の考えを覆し、祐護だけに聞こえる声量で話しかける。
いや、ランディウスも最初から、そう思っていたのだろう。
だが、指揮官として、周りを動揺させない為にあのような発言をしたのだろう…
そう思い、軽く苦笑いを浮かべ祐護は答える。
「………ああ」
思えば、今までもランディウスのフォローに助けられてきたような気がする。
確かに、祐護は勇者として、この世界に呼ばれた…
だが、祐護は何処までも戦士である。
部隊の指揮など考えず、直感で情報を得、先頭に立ち敵を討つ。
その度にランディウスが発言のフォローをし、戦闘では細かい指示を出す。
今回の事も、あのままランディウスのフォローが無ければ、周りのいた者達が動揺を現し、それが末端の兵士にも飛び火し、聖王軍は、大混乱に陥っていた事だろう…
最初のコメントを投稿しよう!