~プロローグ~

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「………祐護さん」   「………ん?」   先程までとは打って変わって真剣な表情で、油断無く周囲を見渡すランディウス。 周りに誰もいない事を確認しているようである…   「…先程の懸念…正解のようですね」   ランディウスは先程の考えを覆し、祐護だけに聞こえる声量で話しかける。 いや、ランディウスも最初から、そう思っていたのだろう。 だが、指揮官として、周りを動揺させない為にあのような発言をしたのだろう… そう思い、軽く苦笑いを浮かべ祐護は答える。   「………ああ」   思えば、今までもランディウスのフォローに助けられてきたような気がする。 確かに、祐護は勇者として、この世界に呼ばれた… だが、祐護は何処までも戦士である。 部隊の指揮など考えず、直感で情報を得、先頭に立ち敵を討つ。 その度にランディウスが発言のフォローをし、戦闘では細かい指示を出す。 今回の事も、あのままランディウスのフォローが無ければ、周りのいた者達が動揺を現し、それが末端の兵士にも飛び火し、聖王軍は、大混乱に陥っていた事だろう…
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