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裕護の戦士の直感が核心に至った瞬間、伝令の兵と思われる一騎の騎馬が、
「伝令!伝令!勇者殿は何処におられる!」
と、声を張り上げ、聖王軍の軍勢の真っ直中を、裕護達めがけて突っ切って行った…
「勇者殿はここにおられる!
皆、道を開けろ!」
伝令が通りやすいようにと配慮し、号令をかけるランディウス
日頃の訓練が功をなし、軍勢は一糸乱れぬ動きで、伝令兵の為、道を開けた。
「伝令であります、勇者殿」
「前置きは良い…王都に軍勢が迫っているんだろう?」
不意に裕護の口から、そんな言葉が発せられた…
「そ、その通りであります!
何故お気付きに?」
言われた伝令だけで無く、周囲の騎士達も怪訝な表情を浮かべ、裕護を注視した。
そんな中、合点がいったのか、ランディウスだけは、納得したように頷いて…
「なるほど…だからあまりにも脆かったのか…」
そして、裕護はそんなランディウスの独り言に満足そうに頷き、伝令達に目を向けた…
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