14人が本棚に入れています
本棚に追加
「…色々ありましたね」
ランディウスが話しかけてくる。
祐護と共に戦場を駆け抜けて来たランディウス。
他の者達より感慨も一入だろう。
「…そうだな。…君は戦いが終わればどうするつもりだ」
「そうですね…田舎に残してきた婚約者を聖都に呼んで結婚式をあげようと思ってます」
「…そうか」
「祐護さんはどうするんですか?」
「俺か?俺は…元の世界に帰るさ。戦争さえ終われば、俺がこの世界にいる理由が無いからな」
そう言って、祐護は皮肉げな笑みを浮かべた…
「そうですか…でも、僕の結婚式には出てくれますよね?」
「…聖王が御許しになったらな…」
「なら大丈夫です!約束ですよ?」
ランディウスはどうしても祐護に結婚式に出席して貰いたいようだ。
普段の慕い振りから言って、当然と言えば当然の事だろうか?
「はは。ああ約束だ」
苦笑いを浮かべ祐護はそう言い返し、また最前線へと視線を送った…
最初のコメントを投稿しよう!