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天上の薔薇
僕はこの夜、気づいてしまった。
君があの病に罹ってしまったことを。君の命が間もなく尽きてしまうことを。二人で生きてきた世界に僕はたった独り残されてしまうことを。
僕は君に何をしてあげれるのだろう?
もし君に最期の望みがあるならば、僕はそれを叶えてあげたい。
もし君がこの世界に残したいモノがあるならば、僕がそれを守り抜いてみせる。
僕が君にしてあげられることはそれだけなんだ。
僕はあまりにも無力だ。この世界は僕では抗うことのできない光に支配されてしまった。
僕は君を幸せにできただろうか?君は無力な僕を許してくれるだろうか?
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