第1章

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いったいどこだろう。 私はどうなるんだろう。 そう考えるんだけどすぐに考えるのを止めた。 どうでもいいや。 幼い頃両親に捨てられ、施設に入った。 その施設は間もなくつぶれ、学校もろくに通えず自分の体で金を稼ぐようになる。 私はたぶん、不幸な方だと自分でも思う。 だからどうこうでもないけど。 なぜかわからないけどいろんな記憶や思いが頭の中を巡った。 しばらくそんなことに無駄に思考力を使っていると足の先の方から物音がした。 ドアが開く音だった。 話声もかすかに聞き取れる。 どうやら耳までうまく機能しない。 おそらく薬かなんかで眠らされてたんだ。 私は聞き耳をたてた。
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