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15分という道程はあっと言う間で高校に到着。
二人は朝日高校の校門を少し抜けた所に人だかりがあるクラス分けのボードの前にたたずんでいた。
「私のクラスはどこかなぁどこかなぁ~。」
実柑は自分のクラスを楽しそうに探していた。
(片瀬さんってほんと高校が楽しみだったんだなぁ~すごくはしゃいじゃってるよ。笑)
飛鳥は実柑の姿を微笑ましく眺めているとどうやら自分のクラスを見つけたらしく嬉しそうに飛鳥の近くまで寄ってくる。
「あったよ越智くん!!3組、3組だよ~私!!」
「へぇ…片瀬さんは…3組なんだ…僕は…」
「越智くんも3組だよ!!ほらっみて私の上に名前が。(笑)」
「えっ…………。」
実柑は明るくボードに指を差す。
そこには『片瀬 実柑』の上に『越智 飛鳥』っと掲示されていた。
「ほんとだね…。」
「うん!偶然、同じマンションで同じ学校、同じクラスって…私たちなんだか運命みたいだね。」
「あぁ…うんっ…」
(なんて可愛いことを言ってくるんだよ
少し照れてしまったじゃないか…)
飛鳥は実柑の言動と明るい笑顔に顔を深紅に染めた。
だが…大きい黒縁の眼鏡と垂れ下がった髪
の毛のお陰で実柑に照れている自分を悟られずに済んだのだった。
「越智くん…今年一年よろしくね!!
いこっ私たちの教室に。」
「うん…よろしく…わかった…。」
実柑は飛鳥に深々と頭を下げると一年間よろしくっと伝え下駄箱へと歩いていった。
飛鳥はその後をゆっくりとついていく。
「ふ~んふ~んふ~ん。」
「ほんと…うれしそうだよな…ボソボソ…俺とは対照的な学園生活を送りそうだよ…ボソボソ」
実柑のいつまでも笑顔を絶やさず鼻歌混じりで先を進む後を
ゆっくりとついていく飛鳥はボソボソと呟き自分とは対照的な生活をおくる人間なんだと思った。
「ふ~んふ~ん…」
(越智くんって…暗いよね…って言うより…わざと暗くしてるのかな…
でも…知り合いが一人でもいるクラスになれたんだから喜ばないとね。)
「ふ~んふ~んふ~ん。」
そして下駄箱に到着すると靴箱に下ぐつを入れ持参していた上履きをはき二人は自分達の教室にゆっくりと足を進めていくのだった。
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