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秀一郎 15歳
秀一郎は部屋で本を読んでいた
恋愛小説...
「恋愛なんて所詮空想。」
と思いながらも恋愛小説に実は興味があった
自分には恋愛など教えてもらったこともないから必要ないものだとわかっていてもそれは人間の本能だ
と.ドアを叩くおとがした
「秀一郎ちょっとこい。」
父親だった.秀一郎は焦って本を隠し.部屋を出た
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食堂
食堂は月に一回の食事会の時に家族で食事する
「秀一郎.良く聞け.今からお前の婚約者がここにくる.顔を合わせておけ。」
といきなりの婚約者宣言...だが前から母親にその話は聞いていた
だからそこまで動揺はしなかった
「失礼します。」
とドアの外から声がした
「お久しぶりです.徳川 楓(とくがわ かえで)です。」
と入ってきたのは美しい着物に包まれた優雅な女性だった
「秀一郎さん...ですよね。ふつつかものですがよろしくお願いします。」
って言われても母親.先生以外の女性には慣れていなくて顔を見て話せない
「...よっ.よろしくおねがいします。」
「...秀一郎さん.私の事お嫌いですか?」
「...いっ.いや別に...お父様.僕はこれで...。」
と部屋に逃げ込んだ
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自分の部屋
心臓がバクバクしている
手を当てて落ち着かせようとしても全くおさまらない
「どうしたんだ.僕は。」
とても苦しかった.風邪を引いたときに似ている
とりあえずベッドに横になり恋愛小説を読んだ
...あの子を見ると.僕は心臓が高鳴った.そう.これが僕の初恋
「...初恋ねぇ。」
小説と今の自分が重なりとても不思議な気持ちになった
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