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―――トントントン…。
2人の階段の降りる音だけが
虚しく響いていた。
すると、山本はゆっくり話し始めた
「…穂波?………俺、
穂波のことが好きなんやと思う」
私は恥ずかしさの
あまり下を向いてしまう
それでも山本は話し続けた
「…うん、でも………
付き合うとかは考えてない」
とても小さい声だった
私は泣くのを必死にこらえ
「うん…わかってる」と
精一杯の明るい声で答えた
山本は少し安心したのか
ふぅーっと息を吐くと
「今、付き合ったりしたら
多分部活のメンバーに
迷惑がかかるから…」と
はっきりとした口調で話した
そこからまた沈黙になり
校門まで来ると私は我慢できずに
「ばいばい…山本。」とだけ言い
家まで全速力で帰った
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