#Chapter.6#

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青ざめるギャグルに対し、ミリアは「何か問題でも?」と、わざとらしく言った。 …今回、ミリアが執った行動とは実に簡単…「目には目を」だ。 ギャグルは私利私欲の為に、グランドキャンサーを「道具」として利用した。 無理矢理に魔晶石を埋め込まれたであろうグランドキャンサーに、ミリアは最後に倒した親のグランドキャンサーを、魔法によって本来の姿に回帰させたのだ。 そしてミリアは、このグランドキャンサーを町の住民を渡す事で、現在封鎖された鉱山を利用する必要が無くなった事で、ギャグルの手中にある土地の権利書が何の意味も無い長物になるのを計算していたのだ。 「な、何を言ってるんですか!?魔物ですよ!?危険では!?」 「だからぁ、大丈夫なんだってば。そうだろ?グーちゃん?」 「ンだす!オラは人とか襲わねぇし、石が食べれりゃ文句ないだべ!」 訛りがある女性の声でギャグルに言ったグランドキャンサーに、彼は腰を抜かせて尻餅した。 「しゃ…喋った!?」 「何かと喋らせた方が、町の住民には便利でしょうからね。あ!まだ大事な事があるんでした!ですよね?勇者様?」 「あ、あぁ…」 .
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