#Chapter.6#

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跡形も無くなった魔晶石があった場所を両手で摩るギャグルは、恨めしげにミリアを見た。 「な…何て事を!!」 「いやだなぁ…魔晶石って確かに便利でしょうけど、魔物に与えたら凶暴性が高まって、挙げ句には…ガオッてね」 飛び掛かる様な素振りをギャグルにするミリアは、懐から小指程度の小さな魔晶石を一つ取り出した。 「代わりにですが、この魔晶石を貴方に差し上げましょう」 「ば、馬鹿を言うな!!そんな小さな魔晶石で…!!」 「でしたら、ちょっとお見せしましょう」 スタスタと歩いたミリアは、魔晶石を左手に握り締め、右手の人差し指を街外れの山を指差した。 「皆さま、あの山をご注目♪」 そう言った次の瞬間、山が一瞬にして吹き飛び、衝撃音が街中に響いた。 「…あ、あんなのを一瞬で!?」 「どうです?ギャグル少佐、ここはギブア~ンドテイク…というのは?」 .
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