#Chapter.6#

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─*その夜*─ 「おぉ!これは、奪われた鉱山の権利書!」 「フフン!どうだ?」 酒場に集まった町の住民は、私がテーブルに置いた鉱山の権利書を見て喜んでいた。 「ありがとうな!流石は勇者なだけあるぜ!!」 「そんな事は無い。ミリアが協力してくれたお陰だ」 そう私がミリアの事を言うと、彼は「エッヘン!」と言って得意げな態度になった。 「ところで勇者サン。外にいるあの大人しい魔物は?」 「ん?あぁ…実はな…」 私は酒場の外で小石をかじっているグランドキャンサーについて説明した。 もっとも、ミリアの仕業である事を秘密にしてでだが… 「──‥成る程。あの魔物は石しか食べない無害だと…」 「あぁ。鉱脈だって見付けられるし、簡単な土砂作業だって出来る。だからアイツを、此処で住まわせてくれないかな?」 「…何を言ってんだ?」 ニカッと笑ったリーダーの鉱夫は、ミリアとガッチリと肩を組んだ。 「そんなに凄いなら、寧ろ大歓迎だぜ!」 .
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