5900人が本棚に入れています
本棚に追加
/1960ページ
──*その頃*──
「‥ギア、コレで町の住人は全員か?」
私達は一度オアシスに住む住人を一カ所に集めた。
理由は、オアシスの住居に対し、住人の人数が少ない気がしたからだ。
「ううん…足りないよ」
「クレア。もしかすると、連れ去られたんじゃねぇか?」
「でもよ、ミリアルド。町の連中を連れ去って、何をするんだ?」
アクセルがそう私に尋ねるが、私自身も、そこに疑問を抱いていた。
「フム…何かをさせる為に拉致したか…あるいは人質にする為か…」
「どっちみち、ロクな事じゃねぇな。で、これからどうする?」
腰に手を当てて聞いてくるミリアに、私は「無論、人質の救出だ」と言った。
「そうこねぇとな!」
「待てよミリアルド。お前、オアシスの住人が何処に居るか判るのか?」
「あ…判らねぇ…」
ガクッと肩を落としたミリアだったが、ギアが突然「オレ、心当たりがあるよ」と言い出した。
「心当たり?何処だ?ギア」
「半月くらい前に、変な形をした建物っぽいのを見掛けたんだ。最初は蜃気楼じゃないかなって思ったけど…」
「怪しいな?」
「そうだな…ギア、悪いが案内してくれ」
.
最初のコメントを投稿しよう!