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そう指摘するミリアルドに、素直に頷けない私は、今後どうすれば良いのか途方に暮れた。
魔王は此処におらず、武器は壊され、魔力も僅かしかない。
しかも、目の前には『人間が大好き』なんて言う変わった魔物が居る始末…
今まで培ってきた経験全てが、先程の出来事で白紙になったのだ。
ましてや、この男が黙って私を解放するとは思えない。
「──‥しゃーねぇなぁ」
「は…?」
席に立ったミリアルドは、そう呟いて折れてしまった聖剣を手にした。
「コレ直したら、ちったぁ俺を信用してくれるか?」
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