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室内が微妙に暗くて玉座に座る人物がはっきりと見えなかったが、その人物から溢れ出す魔力と畏怖させる雰囲気は、紛れも無く魔王たる由縁だった。
「魔王、ねぇ…」
そう玉座に座る人物が言うと、部屋が一瞬にして明るくなり、その人物が鮮明に見えた。
白い肌に銀色の髪、頭には小さな金色の王冠を被り、貴族の様な高級感のある赤と黒の上下の服装に合わせた革のブーツ。
表情に至っては、口の右端から見える犬歯。
赤々と光り、鋭い瞳と尖った耳。
「…ッ(間違いない…これが魔王…!)」
そう私は改めて確信した。
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