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鎖 ~play~
目の前の肉塊を見て、彼女は妖艶に微笑んだ。
「お休みなさい……お父様、お母様」
花のような微笑みに、小鳥のさえずりのような愛らしい声。
血の海の中に佇み、うっとりと見下ろす先にば両親であっだ塊。
彼女の手には果物ナイフがひとつ、まるでサグロを潰したかのように真っ赤な汁を滴らせている。
これで鎖は断たれた。
忌まわしく息苦しかった、゙愛情゙という名の錆びた鎖。
誰もが幸せの象徴だろうと羨ましがる夢の箱庭を、彼女は自らの手で断ち去ったのだ。
「フフフ。良い夢をね?」
少女はナイフを肉塊に突き刺し手放した。
もうコレは要らない。
自由を手に入れたのだから。
鼻歌混じりに大きな檻を出たのなら、そこにはきっと、楽しい夢が待っている。
さあ、次はどんな゙アソビ゙をしようか。
今度は壊れない゙オモチャ゙が良い。
「そうだわ、次は……」
昔仲良くしてくれた可愛い女の子。
゙あの子゙にしよう……―
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