5人が本棚に入れています
本棚に追加
赤 朱 緋
真っ赤な池に放り出された私の記憶。
鎖が外れたみたいな音が頭の中に響いて、気付いたら笑ってた。
何もかもが楽しくて。
何もかもがおぞましい。
私は壊れたのでしょうか。
目の前の彼女が悲鳴をあげているのに、それすら子守唄のように耳に心地よいの。
もっと、もっと、もっと……っ
私を笑わせてよ
歪めたのはあなたたち
壊したのはお前らだ
かな切り声は少し五月蝿かった。
吐き気の中に浮かんだ真っ赤な海は、やがて私の心さえも蝕むのでしょう。
こんな卑しい存在なんか死んでしまえよと、そう何度も叫ぶのに神様は叶えてはくれないから。
私は私を殺せないから。
私を守るために殺しましょう。
私は狂っていますか?
貴女が助けを求めているのに、それにすら吐き気がするのです。
最初のコメントを投稿しよう!