第1話

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「ねぇねぇ! 大変、大変なのヒロ!」 「どうしたヨミ? 何をそんなに慌ててんだよ」 「実はね、私……ついにできちゃったみたいで……」 「えっ?」 「ずっと頑張ってきた甲斐があったっていうのかな……毎日毎日、結果が出るまで勢いづいてさ。思わず諦めちゃいそうな時もあったけど……今となってはそれもいい思い出だよね……」 「……」 「けどホント、諦めないでよかった……あそこで諦めてたら試合終了だったよ。やっぱり何事も継続することが大事なんだね……私、あらためてそれを実感したなぁ……」 「なぁ、ヨミ」 「ん? どしたのヒロ?」 「なんでわざわざ逆上がりって主語外して会話すんの?」 「え? だって高校生にもなって今さら逆上がりの練習とか恥ずかしいじゃん。言わなくてもそこは察してよヒロ」 「察する前に、色々と変な誤解と羞恥を受けそうだって気づかなかった? うん、気づけなかったっぽいね」
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