第3話

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「なぁヨミ、絆創膏持ってるか?」 「うん、持ってるよ。どこかケガでもした?」 「ああ、右手をちょっとな……」 「ピストン運動による酷使で火傷を……by 鷹見 宏」 「ありもしない事実を居もしないもう一人の俺に語らすな」 「摩擦熱は怖いからね、気をつけなきゃいけないよ。……あ、下半身の方は大丈夫? もしかしてそっちの方も赤くなってるんじゃ……」 「そっちは元々、若干の赤みを帯びてるから心配しなくていい」 「ヒ、ヒロがそんな粋な返しをできるなんて……!? やっぱり今私の目の前にいるヒロは、私の知ってるヒロじゃない……? だとすると、あとに残る可能性はただ一つ……。居るはずのないもう一人のヒロが今私の目の前にいるヒロで、いわばこれは、世間で言うところのドッペルゲンガーということに……」 「いいから早く絆創膏ちょうだい」
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